ひいらぎかざろう歌詞の謎!ファララの意味と柊を飾る本当の理由
街中が華やかなイルミネーションに包まれる季節、誰もが一度は耳にしたことがあるクリスマスキャロルの大定番『ひいらぎかざろう』。軽快なメロディと「ファララララ〜」という陽気なリフレインが印象的ですが、その歌詞に込められた深い意味や、なぜ冬にヒイラギを飾るのかという由来まで詳しく知る人は意外と多くありません。
実はこの楽曲、もともとはクリスマスソングではなく別の祝祭歌だったという驚きの歴史があります。英語原曲『Deck the Halls』の対訳やカタカナの読み方、耳に残る「ファララ」の正体、そしてピアノ演奏やコード伴奏のポイントまで、知ればクリスマスの風景がガラリと変わる奥深い真相を紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:原曲は16世紀ウェールズの新年の民謡『Nos Galan』であり、後に英語のクリスマスキャロルとして定着した。
- 要点2:ヒイラギを飾る風習はキリストの受難(茨の冠と赤い血)の象徴と、古代の魔除け・生命力信仰が融合したもの。
- 要点3:「ファララ(Fa-la-la)」は中世マドリガル由来の器楽模倣フレーズで、言葉を超えて喜びを爆発させる音楽的仕掛け。
【名曲のルーツ】『ひいらぎかざろう』の由来と歴史|ウェールズ民謡から世界へ
軽快なテンポで世界中に親しまれている『ひいらぎかざろう』ですが、その起源は16世紀のウェールズ民謡『Nos Galan(新年の前夜)』にまで遡ります。もともとはクリスマスではなく、大晦日から新年にかけて冬至の終わりを祝う世俗的なお祭りソングでした。
18世紀後半に音楽学者エドワード・ジョーンズによって記録された旋律は、あのモーツァルトがヴァイオリンとピアノのための二重奏曲(K.301)の着想を得たとも言われるほど、ヨーロッパ各地で愛唱されました。その後、19世紀半ばにスコットランドの音楽家トーマス・オリファントが英語の歌詞をつけたことで、現在知られるクリスマスキャロルとしての『ひいらぎかざろう』が確立されたのです。
教会で厳かに歌われる伝統的な讃美歌原曲の多くと異なり、民衆の祝祭の熱気から生まれた楽曲だからこそ、いま聴いても思わず体が揺れる親しみやすさと生命力に満ち溢れています。
【歌詞の意味と和訳】英語「Deck the Halls」と日本語歌詞を徹底比較
英語タイトルの『Deck the Halls(デック・ザ・ホールズ)』は、直訳すると「広間を飾りつけよう」という意味になります。英語の歌詞では、ヒイラギの枝を飾り、華やかな服をまとい、竪琴に合わせて歌い踊る宴の情景が生き生きと描写されています。
【英語歌詞・カタカナ読み・和訳対照表(第1番)】
Deck the halls with boughs of holly,
(デック ザ ホールズ ウィズ バウズ オヴ ホリー)
→ ヒイラギの枝で大広間を飾りつけよう
Fa la la la la, la la la la.
(ファ ラ ラ ラ ラ、ラ ラ ラ ラ)
'Tis the season to be jolly,
(ティズ ザ スィーズン トゥー ビー ジョリー)
→ 今こそ誰もが陽気になれる季節だ
Fa la la la la, la la la la.
(ファ ラ ラ ラ ラ、ラ ラ ラ ラ)
Don we now our gay apparel,
(ドン ウィ ナウ アワー ゲイ アパレル)
→ さあ、晴れ着に着替えよう
Fa la la, la la la, la la la.
(ファ ラ ラ、ラ ラ ラ、ラ ラ ラ)
Troll the ancient Yule tide carol,
(トゥロール ジ エインシェント ユール タイド キャロル)
→ 古くから伝わるクリスマスの歌を声高らかに歌おう
Fa la la la la, la la la la.
(ファ ラ ラ ラ ラ、ラ ラ ラ ラ)
一方、日本で広く歌われている日本語歌詞(松崎功氏訳など)は「ひいらぎ飾ろう ファララララー / はれ着に着がえて ファララララー」と、英語の持つリズミカルな語感を絶妙に残しつつ、子どもから大人まで直感的に冬の祝祭感を味わえる名訳として親しまれています。
【謎のフレーズ】「ファララ(Fa-la-la)」に隠された本当の意味と音楽的背景
歌の中で何度も繰り返される「ファララララ」というフレーズ。単なる陽気な掛け声だと思われがちですが、音楽史的には16世紀ルネサンス期に流行した世俗合唱曲「マドリガル」や「バッレット」の技法を受け継いだ重要な特徴です。
当時、リュートなどの弦楽器伴奏に合わせて歌う際、言葉のない器楽のフレーズを人間の声で模倣する「スキャット(囃子言葉)」として「Fa-la」が頻繁に使われました。歌詞の意味に縛られず、純粋なリズムと祝祭の高揚感を全員で共有するための仕掛けだったわけです。
また、古い民謡の時代には、宴席で少し際どい冗談を言った後のごまかしや合図として「ファララ」と歌い継いだという説もあり、当時の民衆が肩肘張らずにお酒と音楽を楽しんでいた現場の空気を今に伝えています。
【クリスマスの疑問】なぜヒイラギを飾るのか?トゲと赤い実の象徴的理由
クリスマスツリーのモミの木と並び、リースやケーキの飾りとして定番のヒイラギ(セイヨウヒイラギ)。なぜ真冬の飾りにこれほど重用されるのか、そこにはキリスト教の宗教的象徴と古代ヨーロッパの自然信仰という二重の背景が存在します。
キリスト教の教義において、ヒイラギの鋭いトゲのある葉は「イエス・キリストが十字架にかけられた際に被せられた茨の冠」を、冬に実る鮮やかな赤い実は「人類の罪を贖うために流されたキリストの血」を象徴しています。つまり、華やかさの裏に救済への祈りが込められているのです。
さらに遡ると、古代ケルトのドルイド教では、厳しい冬でも青々と葉を茂らせる常緑樹は不滅の生命力の証であり、邪悪な悪霊を退ける魔除けの力があると信じられていました。厳しい寒さを乗り越え春を待つ人々の切なる願いが、ヒイラギを飾る風習として定着した大きな理由です。
【演奏とアレンジ】ピアノ楽譜やコード進行の特徴|手軽に弾ける伴奏のコツ
『ひいらぎかざろう』は、音楽教育やピアノ発表会、パーティーの伴奏曲としても絶大な人気を誇ります。その理由は、覚えやすく明快なダイアトニックコード(主要3和音)中心のコード進行にあります。
ヘ長調(Fメジャー)やニ長調(Dメジャー)で演奏されることが多く、基本進行は「F - C7 - F」や「D - A7 - D」といったシンプルな構成です。フレーズの呼びかけ(Deck the halls...)に対して「ファララ」が応答(アンサー)するコール・アンド・レスポンスの構造になっているため、連弾やアンサンブルにも最適です。
ピアノ初心者であれば、左手で「ブン・チャ・チャ」と刻む軽快なマーチ風伴奏をつけるだけでも一気にクリスマスの華やかさが演出できます。中級以上なら、対位法を取り入れたバロック風アレンジや、スウィング調のジャズアレンジに変化させても非常に映える柔軟性を持っています。
【ひいらぎかざろう】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本のヒイラギと、クリスマスで飾るヒイラギは同じ植物ですか?
A1:植物学的には別種です。日本のヒイラギはモクセイ科ですが、クリスマスの飾りに使われるのはモチノキ科の「セイヨウヒイラギ(ホリー/English Holly)」です。セイヨウヒイラギは冬に真っ赤な実をつけますが、日本のヒイラギは黒紫色の実をつけます。
Q2:英語歌詞に出てくる「Yule(ユール)」とは何のことですか?
A2:北欧やゲルマン民族が古代に行っていた冬至祭りの名称です。キリスト教が広まるにつれてクリスマス祭と融合し、英語圏では現在でも詩的な表現として「Yuletide(クリスマスの季節)」という言葉が使われます。
Q3:歌詞の「gay apparel」の「gay」はどういう意味ですか?
A3:古典的な英語で「陽気な」「華やかな」「色鮮やかな」という意味です。現代で広く使われるセクシュアリティの意味ではなく、「お祝いのための晴れ着・華やかな衣装」を着ようと呼びかけています。
【まとめ】知ればもっと楽しくなる!『ひいらぎかざろう』が歌い継がれる理由
何気なく口ずさんでいた『ひいらぎかざろう』は、ケルト民謡の生命力あふれるリズム、ルネサンス音楽の楽しげな言葉遊び、そして冬の寒さに打ち勝つ人々の祈りが幾重にも重なり合って生まれたタイムレスな傑作です。
緑の葉と赤い実のコントラストに込められた意味や、軽快な「ファララ」の歴史を知ることで、毎年訪れる冬の祝祭シーズンはより一層深みを増します。今年の冬はぜひ、その豊かな物語を思い浮かべながら、大切な人と一緒に歌ってみてはいかがでしょうか。 (出典: ひいらぎ かざ ろう(Yahoo!ニュース))